SSMS協同組合

一般監理業務許可番号 許1706001804

登録支援機関許可番号 19登-001073

今秋行われる法改正について

「技能実習・特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が開催され、実習生廃止など多くの報道が流れております。
まだ中間報告として方針が出ているだけの状態であり、具体的にどのように変わっていくかはまだ予測の範疇となりますが、弊組合の見解も交えて解説をさせていただきます。
公開されている報告は下記URL先をご参照いただけますと幸いです。
https://www.moj.go.jp/isa/policies/policies/03_00066.html

今回の政府案は、法務省がマスコミにだけ本文など全公開していて、国会には昨日の午前中の有識者会議の結果報告と同時に公開。これは政治側の圧力を排除するための策のように感じられます。
これは、基本方針として貫くという役所側の意思が強いことの表れかと思います、この方向性は変わらないものだと想定されます。

中間報告書(たたき台)のポイントです。
●技能実習制度の廃止?

報道では、「「技能実習制度」を廃止」とセンセーショナルな見出しが使われていて、これだけだと技能実習制度がなくなってしまって、特定技能に集約されるかのような印象を受けますが、中間報告書(たたき台)では、24ページから25ページにかけて

『現行の技能実習制度を廃止し、人材確保及び人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討すべき』
『技能実習制度が有する人材育成機能は・・・新たな制度にも目的として位置付けられることを検討すべき』

とあり、技能実習制度に代わる特定技能とは別の制度の創設をうたっています。

●新たな制度について

同じく25ページで、

『新たな制度から特定技能制度への移行が円滑なものとなるよう、その対象職種や分野を一致させる方向で検討するべき』
『人材育成の観点から、外国人が修得する主たる技能等について、育成・評価を行うことによるスキルアップの見える化を前提として、特定技能制度への移行を見据えた幅広い業務に従事することができる制度とする方向で検討すべき』
『技能評価の在り方についても、技能検定や技能実習評価試験等の運用状況も踏まえながら、最終報告書の取りまとめに向けて具体的に議論していく』
『受入れ見込数の設定については、・・・透明性や予見可能性を高める方向で検討すべき』

などとし、新たな制度と特定技能のシームレスな移行を前提としつつも、技能実習制度の趣旨は踏まえたものになることを書き込んでいます。
●転籍の在り方について

26ページで、
『新たな制度においては、人材育成そのものを制度趣旨とすることに由来する転籍制限は残しつつも、制度目的に人材確保を位置付けることから、制度趣旨及び対象となる外国人の保護を図る観点から、従来よりも転籍制限を緩和する方向で検討すべき』
『転籍制限の在り方については、・・・総合的な観点から、最終報告書の取りまとめに向けて具体的に議論していくこととする。』

などとし、緩和するものの転籍制限自体は残していく書き振りとなっています。

●監理団体の在り方について

同じく26ページから27ページで、
『新たな制度においては、監理団体は、国際的なマッチング機能や受入れ企業等や外国人に対する支援等の機能を適切に果たすことができる優良な団体のみが認められるようにするため、受入れ企業等からの独立性・中立性の確保や、監理・保護・支援に関する要件を厳格化する方向で検討すべきである。その要件については、特定技能制度における登録支援機関の機能や要件を含めて、最終報告書の取りまとめに向けて具体的に議論していくこととする。』

とし、要件の厳格化を求めてはいくものの、監理団体の存在そのものの否定はされていないので、現在の延長線上での役割が想定されているのではないでしょうか。

●外国人実習機構の在り方、悪質なブローカーや送出機関の排除、外国人の負担軽減等について

最終報告書の取りまとめに向けて検討・議論していくことになっています。

以上を踏まえての考え方と今後の私どもの対応

全体としての方向性は出てきたものの、新しい制度の詳細については今後詰めの作業をしていくこととなろうかと思います。有識者会議での中間報告のため実際の法改正とは異なる内容になる可能性も十分ございますのでご了承下さい。

新たな情報が分かり次第情報の展開をさせていただきます。

ご不明な点がございましたらご連絡いただければと思います。